国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」再突入カプセル内のサンプルコンテナから採取したガスが、小惑星Ryugu(リュウグウ)からのガスサンプルであることを確認しましたのでお知らせします。
2020年12月7日に豪州ウーメラ現地本部に設置されたQLF(Quick Look Facility)にてサンプルコンテナ内から採取されたガスの質量分析を行った結果、地球の大気成分とは異なることが示唆されました。さらに、確認のためにJAXA相模原キャンパス地球外試料キュレーションセンターで同様の分析を12月10日から11日にかけて行い、サンプルコンテナ内のガスは小惑星Ryugu由来のものであるとの判断に至りました。
この判断に至った根拠は、次の3点によるものです。
- 地球外試料キュレーションセンターでの分析結果が、豪州ウーメラ現地本部で行ったガスの分析結果と同じであったこと。
- サンプルコンテナの状態は、アルミニウムメタルシールによる封止が設計どおり行われており、地球大気の混入がミッションでの許容レベルより十分低く抑えられたこと。
- サンプルコンテナ内では、豪州でガスを回収した後も同じ成分のガスが発生していることが相模原キャンパスで確認できたことから、採取されたガスはサンプルの脱ガスに起因するものと考えられること。
なお、地球圏外から気体状態の物質のサンプルリターンは世界で初めてとなります。
引き続き、サンプルコンテナの開封作業を行うとともに、採取したガスについての分子組成や同位体組成の詳細な分析を初期分析チームにて行います。
図1 サンプルコンテナの構造(クレジット:JAXA)
図2 豪州ウーメラ現地本部に持ち込んだ、ガスを分析するための装置(クレジット:JAXA)
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テキスト、画像提供:宇宙航空研究開発機構(または JAXA)
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